一法句 「初心」と「精進」
皆さんもオリンピックを楽しまれましたでしょうか。私は、ネットでたくさんの種目を見る事が出来たので、普段観たことがないようなものを選んで観ておりました。
テレビ局の放映では、日本人がメダルを取れそうなものしかされませんが、オリンピックであんなに色々な種目の試合があっているとは思いませんでした。面白い試合や人間の動きとは思えない技を観ることが出来、大変面白かったです。
今回のオリンピックでは、乗馬やフェンシング、ヨットなど、あまりテレビでは取り上げられなかった種目でメダルを取る大活躍もあり、また新しいスポーツ、ブレイキンなどでも優勝したりなど、バラエティ豊かな大会となったと思います。
活躍した選手のエピソードなどを聞いておりますと、とにかく練習をしている時間が多いということでした。私が思ったのは、そのスポーツが好きだから、試合だけではなく練習することも楽しいと思ってしているのかもしれないということです。「好きこそ物の上手なれ」ということわざがありますが、純粋にそのスポーツが好きということが、選手の原動力になっているのでしょう。良くテレビで話題になるような、「有名になれた」とか「お金をたくさんもらえた」とかいうようなことは、そんな選手達にとっては二の次なのではないかと思います。
それぞれの選手がその種目を好きになったきっかけは色々あるかと 思いますが、そこには人生を左右するほど心が揺さぶられたものがあるはずです。このスポーツを自分もやってみたい、という強い思い、仏教ではその心を「初発心」といいます。「初」めて「心」を「発」こす。そこを根っことして、どんどんとそのスポーツが好きになり、そのスポーツを極めたいと練習に打ち込むことになるのです。
普通は「初発心」を略して「初心」といいます。「初心にかえる」とか「初 心忘るべからず」といった言葉は、初心者の時のことを言っているのでなく、正にこの初発心を大事にしよう、ということです。何か壁にぶつかりモチベーションが下がった時に最初の感動を思い出してみると、また改めて進み始めるモチベーションが沸いてきますよ、ということです。
そのような初発心を根っことしたモチベーションに支えられ、少しずつでも確実に前へと進んでいくことを「精進」といいます。
スポーツにしろ仕事にしろ、精進、つまり少しずつでも確実に前へと進んでいくことは大事なことだと思います。
もちろん仏教においてもです。
私達浄土真宗は、阿弥陀仏のお救いのお話しを聞く「お聴聞」を大事にしています。お聴聞というのは、阿弥陀仏のお救いや仏教の話をまずは理解をし受け止めていうことが大事なことです。何回聞いたとかまじめに聞いたとかというのは、大事なことではありません。少しずつでいいから浄土真宗を理解していこうとすることを大事にしていただきたいと思います。仏教の話は世間の話と違うので簡単に理解出来ないこともたくさんありますので、本当に少しずつでいいので理解出来るところを増やしていって欲しいと思います。
そして、いつか阿弥陀様のお話しを聞くのが楽しい、と思っていただける日が来たら、本当に有り難いことです。
私も皆様と一緒にお聴聞を精進していきたいと思います。