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一法句 仏教・仏道・仏法

2021年度 5月 降誕会法座 寺報

今は「仏教」と言われますが、明治までは「仏道」と言っていたそうです。明治時代世界のいろいろな文化が入ってくる中で、キリスト教、イスラム教などと合わせるように仏教というようになったようです。

茶道、華道、柔道など「道」のつくものは多くありますが、この「道」というは、ある目的地までつながり、私がそこにたどり着くように前へと進んでいくものを言っています。私が目指す人物像、徳、人格などに至れるように、たくさんのことを学び、日々の生活の中で繰り返し行なっていくことで、それを身につけるように努力をし、そして、自分の人生を自分が誇れるように生きていこうとする、その教えと生き方を「道」というのです。

仏道は、仏を目指し生きていく道です。この場合の仏は「あるべき理想的な人間」と受け止めていただきたいと思います。短所や欠点のある私が、問題を起こさないように考えながら生活をし、また思いもよらなかったことが起こるこの世界に振り回されれることなく人生を送り、自分が自分を認められるような人間へと成長させていく、そのような道が仏道なのです。

ですから、仏教はとにかく神などの言うことを鵜呑みにして、疑ったりせず信じ込んでいく宗教ではありません。逆に、正しいものの見方に基づいて、自分が世の中のことや自分のことを判断をし、正しいものの考えかたに基づいて、自分のとるべき行動を考えていくような宗教です。その「正しい」ものの見方、考え方を「仏法」といいます。言い換えると、仏法を私の基盤・基準にして、私が私の人生をより良いものと出来るように生きていく、成長していく人生を「仏道」というのです。

この一年間新型コロナウイルスの問題は、病気のことだけではなく、人々の人生にも大きく影響を与えたと思います。自分のいのちをどう生きていこうか、悩まれている方も多い世の中となりました。そのような中で、このような教え、仏道という生き方があるということを、改めて興味を持っていただきたいと思います。

今回の降誕会のご法話では、二日間にわたりこの仏道と仏法の話をさせていただきたいと思います。どうぞお参りくださいませ。

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